初めの場面で「出征する前の日、お父さんは、ちいちゃん、おにいちゃん、お母さんをつれ、先祖のはかまいりにいきました」と、前の日のことを説明した文章がある。
「出征・はかまいり」を組み合わせると、明日は戦地へ行く前日の緊張感が伝わってくる、「ね。今、みんなでやってみましょうよ」というお母さんの言葉の重さのようなものもある。
想像の手がかりにしたいのは「出征」の意味。そして、「先祖のはかまいり」の意味。
お父さんは、どんなことを先祖に伝えたのだろう等は想像させたいことがらである。「家族を守ってほしい」「私は戦地へ行く」「帰れないかもしれない」などの文が並ぶとき、家族との別れに関わる言葉が生まれてくる。
続いて、「かげおくりのできそうな空だなあ」という「お父さんのつぶやき」になる。「つぶやきました」であって「言いました」ではない。だから、
「かげおくりのようできそうな空だなあ」の音読が効果がある。「つぶやくように読めましたか」を問い続ければいい。
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