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国語科教室
楽しい学習を創るTT授業の試み 「かっぱ」他を読む(4年)
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1、楽しい学習をを創るTTの授業

 国語の授業を楽しくしたいというのは、誰もが考えている。その楽しさは、時には活動に変化を持たせるという工夫になったり、内容を深めるという方法になったりする。また、教材提示の工夫もあるし、ほめる、励ますという指導もある。しかし、より子どもに近づいて授業を創るとなると今までのように、教師の情熱と技術だけでは解決できないものがあるのではないかと時々思うことがある。従来の授業に対する考えを少し変えてみたらどうなるかと時々思うことがあった。
  TTの授業は、個に応じた指導をどのよう進めていくかということを考える上で手がかりになることが多い。それは、一人ではできないことを2人でするという短絡的な考え方ではなく、教師の個性、特性を生かし、教師相互の協同により、授業の効果を上げようという意味においてである。
  従来、授業に考え方には、担任が一人でするというのが当然であって、教師と教師が協同で授業をつくり上げようという考えは少なかった。時折、体育では合同体育という形態を試みたこともあったが、これも指導のお手伝いをするという程度の考え方であった。協同での授業という形態にはなりにくかった。
  試みとして実践した今回の授業は、4年の担任東辻先生と知恵を出し合い楽しい学習をつくろうとしたものである。学習内容を詩の音読にした。学習形態は主としてグループにし、多彩な学習活動が展開できるようにした。学級の子どもの実態をよく知っている学級担任の東辻先生に導入を指導してもらい、子どもの発言の中で教科の本質に関わる部分が生まれてきたら、話し合いをリードする役割を引き継ぐという方法をとった。
  教材として何がよいか、子どもがどんな詩であったら、関心を示すかを話し合い学習方法を考えた。その経緯をまとめると次のようになる。
  @ 指導目標を確認し、教材を選ぶ。
    (学級の実態から、音読を取り入れた詩を読むという学習を決めた。教材には谷川俊太郎の「かっぱ」「いる    か」工藤直子「うみよ」「わたぐもよ」を選んだ。詩を楽しく読むという学習に適していると考えた。)
  A 教材について話し合い、指導過程を考えた。
     (教材の押さえどこを話し合い、指導過程を設定し学習活動の見通しを立てた。詩の提示の仕方やワーク    シートをつくることについても話し合った。)
  B T1・T2を決め指導の細案について話し合う。
    (T1は学級担任、T2を吉永が受け持つことにした。)
  教材として選んだ詩4編は、4年生の子どもの心を捉えるであろうと判断したものである。読んで楽しい、声を出して読むともっと楽しいと思えるような詩である。
  「いるか」は「いるか」という言葉の繰り返しが面白いし、詩のリズムを作っている。群読にもなるし、一人で読んでも楽しい詩である。「かっぱ」はなぞときのような楽しさがあり、何度も読んでいると、知らず知らずのうちに、手拍子などを入れて読みたくなるようにリズム感がある。
「うみよ」「わたぐもよ」は5・7のリズムで構成されているし、内容も難しくない詩である。空と海との呼応も楽しく読んでいてゆったりした気分になる。
  これらの4編の詩を提示し、感想を発表させながら好きな詩音読したい詩を見つけさせながら楽しく読み合う学習へと高めていきたい。そのために、T1T2 がそれぞれの子どもに関わりながら、授業の流れを作ったり支えたりして楽しい授業を創りたいと考えた。

2、目標と指導過程(2時間扱い)
  @ 目 標 ・詩4編を読み、楽しんで音読することができる。
        ・グループで詩の読み方を工夫し、自分達の読み方を見つけることができる。
  A 指導過程

  学 習 活 動    T1    T2
1,詩「いるか」と「かっぱ」・「うみよ」と「わたぐも よ」の4編の詩を読む 
 
 
 
 

2,4編の詩を読んでの感想 を話し合い、これからの学習の仕方について考え合う。 
 
 
 
 

3,T1T2の音読の仕方を聞き自分たちのやりたいことやできそうなことを考える。 
 

 

4,グループで音読の役割を決めて詩を読み合う 
 

5,グループで工夫したことに発表する。 
 
 
  

6,みんなで読みたい詩を決 め読み合う。 
 
 
 
7,本時の感想を書く。 

・4編の詩を提示し、子どもたちに自由に感想を発表 せる。 
・感想の発表はまとめないで、できるだけ多くの子に指名をする。 
・4編の詩を指名読をさせ 読みに慣れさせる。 
・話し合いの様子から子どもたちの実態を把握する。
・話し合いに参加できない子に個別の指導をする。

 

・子どもの反応を見守っ り、子どもたちが好ん いる詩を察知する。 
・感想が内容についてのものであるか、詩のリズムに関わるものかを見極める。 
・学習活動1の子どもの反応を生かして、感想を 話し合う学習活動を展開 する。感想から音読をすれば面白いだろうという 子どもの思いを引き出したり、これからの学習の仕方について説明をした りする。
 
 
 
 
 
 

 

学習活動1、2での子どもの様子を確認し、音読 をどのように進めるかを相談する。 
T1T2で役割を決めて、詩の部分音読をしながら様々な読み方があることを提示する。 
子どもの反応の捉え方を話し合いい、グループ学習にするか、一斉学習にするかを決める。 
一斉学習の場合はT2が全体の指導にあたる。 
 
 
 
 
 
 

 

・学習の進め方を話し合いで決めているかをグループ 毎に指導する。音読の仕方で困っていることを把握し助言する。 
・発表を聞いている子ども の指導をする 
・発表をしているグループのよいところや工夫をしてるところに気づくように個に応じて指導をする。 
・聞き方に消極的な子に、メモの仕方などを指導する 
学習への参加の様子を把握し、T2と相談をしたり、個別指導をしたりする。 
 
 ・本時の学習のまとめの仕を指示する。 
・子どもたちの学習の方向を見ながら、工夫して いるところを他のグルー プに広めていく。 

・発表をしているグルーの指導をする。 
 
 
・グループの発表で子どもたちの心を捉えた詩をみつけ、みんなで読み合う場を設定する。更に工夫をすると面白い方法を示し、学級としての読み方を作り上げるように助言をする。 

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