ちょっといいはなし
新緑
俳句
ブログ
プロフィール
リンク
HOME > 国語科教育 > 国語の授業実践記録 >
国語の授業実践記録
白いぼうし(4年)
自ら学ぶ力を育てる
back   next 一覧表に戻る
 1、自ら学ぶ力を育てるということ

 自ら学ぶ力を育てるということにはどのような指導の手順があるのだろうかと考えることがある。求める子ども像は、言葉に対して積極的に関わろうとする興味や関心、課題を意識して、粘り強く求め続けようとする強い意志を持った子どもである。それは、子どもの内面からみれば、「学習問題」を意識し「自分の問題を追求」することにおいて成立する。
 学習問題を意識するためには、学習の全貌が見え、学びの筋道が理解できることが必要であり、読みたい、書きたいという衝動のようなものが、内にあるという状態を意味している。
  自分の問題を追求するということは、目的とするものや課題を解決するための具体的な活動をしながら、新しく知識や技能を身につけていくこと大切にするという状態を意味している。
  授業においては、子どもたちが課題や問題を大事にし、次々と新しいものに出会い、感動や充実感を蓄えに学び続けるように場を設定し、方法を拓いていくことになる。その結果、自い学ぶことを意図した授業で育つものは、学習目標を見つけていく力であり、学習を自分の意志で進めていく力であり、学習方法を見つけ、切り拓いていく力である。
  このような力を育てるには、学習への関心意欲を基盤にしながらも、学習方法を確かに身につけさせていく手堅い指導が大切になる。
  教材「白いぼうし」は読むだけでも心が温かくなる作品である。4年生の子どもにとって、少し不思議で、少し気持ちよく、そして、心に残る松井さんという主人公の行動が物語と出会う喜びを感じさせる。
  しかし、細部に気をつけて読むと、更に、気づかなかったおもしろさを見つけ、納得と共感をえて更に読む意欲を駆り立てる。この姿を過程を望ましい学習の姿として、考えている。文章に布置された言葉に、自らの思いを入れ、広げたり膨らませたりしながら、新しい意味を作っていく。そのおもしろさを感じ取っていくことが、読むことの楽しさにつながる。その積み上げが、自ら学ぶ力を育てることになる。

2、自ら学ぶ力を育てる授業の構想

 授業という具体的な場で考えていく時、意欲や関心という抽象的なものではなく、意欲や関心を支えるもの、あるいは、それにつながるものは何かを見通して指導をすることが大切である。 というのは、例えば、一斉形態学習では、話し合いが大きな位置を占める。その場合、「私は終わりの方で、女の子が出てきたところで・・・」というような発言があった場合、聞いている子がどの言葉や文を話題にしているかを察知しなければ、話し合いとして成立しない。前提として、どこに何がかいているかが即座に指摘できるくらいの理解は必要になる。そのためには、技能として、速読を身につけるということ等がそれに当たる。また、読みを深めるということは、表れた言葉から、その奥にある意味が分かるとあか、言葉と言葉のつながりが見つけだせるとかいうように、具体的にどのような姿になるのかを分かりやすく指導しないと、子どもの自己評価を育てるということにはならない。
  学習の方法を身につけていう場を設定しながら、文の内容について深く豊かに読み進めていくかにの道筋を明らかにすることである。具体的には、文章をすらすら読むことを目的とした指導、読むことの一人立ちを目当てにした指導、発展的な学習を意図しての場の設定と学習活動の目標をはっきりさせて指導をしていくことであろうと考えている。 そのために、次のようなに目標と指導過程を設定した

 @ 目 標
  ・様子や気持ちを表す語や文の細部に気をつけて楽しんで読むことができる。
  ・音読や鉛筆読みの学習方法を理解し文章を確かに読むことができる。

 A指導計画(4時間計画)
   1、文章を繰り返し読み、文章の読みになれる。(0、5時間)
   2、感想をもとにしながら、物語の粗筋を確かめる。(0、5時間)
   3、文章の細部を読みながら、一人学習の方法になれる(1時間)
   4、自分の読みを、もとに全体で確かめ合う(1時間 教育実習生指導)
   5、心に残った場面や続きの場面や深めたい出来事を考える。(1時間)
 
3、授業の記録 

(題名について考える)

T 今日から勉強をするのは、「白いぼうし」というお話です。どんなお話かを題名か ら予想しましょう。「白い」と「ぼうし」を分けて考えましょう。
   まず、「白い」からどんなことを予想しますか。
 

C 夏らしい感じがする。 
C 気持ちがよい。 
C 黒と比べると、涼しい感じがする。 
C 軽くて、何かわくわくするような感じがする。白というのは気持ちがすっきりする。 
C 赤と比べたけど、赤だとクリスマスみたいだから、白とは少し違う。 
C 「白いぼうしだから」よく似合う。
?
  意図と考察  
 子どもたちの読みの経験からいえば、題名について考えることは少ない。「白い」「ぼうし」とい うように言葉からイメージをすることを考えさせることで、文章への期待をもたせようとした。 
 
?

 
 
 
 
 

 

?
T 「ぼうし」についても考えようか。よく似たのでは、どんな物を思い浮かべますか
C かばんとか服とか。
T 白いぼうしがどのようお話の中でどんな役割しているのか考えるながら、読みましう。松井さんという人が出てきます。この人のしたことについて考えていくと楽しい ですよ。
(文章を確かによめるようにする)
T 「これは、レモンのにおいですか。」ほりばたで乗せたお客の紳士が、話しかけました。はいどうぞ。
C レモンのにおいというのが気持ちがいい。
T 読みながら、ふっと思ったことは大事にしておこうね。
  (この後、1文ずつ読みながら、子どもに読ませる。読み方は、少しゆっくり)
T 読んでどうでしたか。
C 「今日は、六月の初め」のところで、読みながらやっぱりと白と関係あると思った。
C 白いワイシャツのところでやっぱり白がにあう話だと思った。
C ぼうしの中に、ちょうを入れたのが優しいなと思った。
C 女の子が不思議だけど、あれは、きっとちょうだと思う。
T 今度は、少し早く読みますから、早く読むようにして先生と一緒に読みましょう。
  (一文ごとに早く読む)
  (一文ごとの指名読みの後、全文の黙読)
  (タイムを計っての速読 4分前後で全体が読み終える)
T 少し早く読めるようになりました。これから、文を読みますから、どこに書いている文かを探して下さい。
   (教科書の一文を読み、探させる)
   (丁寧に全文を読ませる)
T 「白いぼうし」を読んだ感想を一言で言うと、どんな言葉でいえますか。
 
C おもしろい話。 
C やさしい話。 
C 不思議な話。 
C 気持ちのよい話。 
C 親切な話。 
T どうして、こんなに感想 
  が分かれたのでしょう。
?
   意図と考察  
 感想を発表させる前に、音読を繰り返し指導したのは、先ず、文章がしっかり読めることが大切であると考えたからである。そのための方法として、速読の指導と、部分が確かに読みとれているかを探る「どこにあるかを探す」という方法を用いた。 
 
?

 
 
 
 

 

?
C みんなが心に残ったところが違うからで、僕も、おしまいの方だとよかったと思うし、初めの方だとやさしいと思った 。
C 私は、不思議と思ったのだけれど、「おじいちゃん、はやくはやく」と言ったのがどうしてかなと思ったから。
C 私は、バックミラーに女の子が映ったところ。
C おもしろいと言っても、思うところがちがうのから、思ったことが違うのです。
T みなさんもそうですか。一言ではいえないということかもしれません。それでは、 感想を簡単に書いてみましょう。そうするとよりはっきりします。
(文章を読んでの感想を書く)
※ 次の感想は子どもたちが書いた第一次感想である)
  ○ 松井さんが乗せたおかっぱの女の子は、松井さんがにがしてしまったちょうかもしれない。菜の花横町近くでいなくなった女の子は、「よかったね。」「よかったよ。」をくりかえしたちょうのなかまだと思う。
  ★ 私は、白いぼうしを読んでふしぎに思ったことがありました。それは、最後の所のバックミラーにはだれもうつっていなかったことです。私は、もしかして、あの女の子は、もんしろちょうだったのかなと思いました。どうしてかというと、「早く、おじちゃん。早く行ってちょうだい。」と、いったのは、男の子につかまえられるのがいやで、急いで、女の子に化けて、タクシーにあわてて乗ったのが、私の頭の中で想ぞうしたからです。
  ※ 最後の方で、女の子が消えていくことがすごくふしぎで分かりませんでした。なぜ、女の子はきえたのか。ちょうになったのかなあと、私は思います。
  ○ 「これは、レモンのにおいですか。」で始まるところからお話が始まるのがおもしろかった。松井さんがこの言葉をよろこび、うれしかったのことが、とてもよくわかりました。
  ★ 白いぼうしをつまみあげた後、ちょうが飛び出して、そのちょうをつかまえられなくて、自分がもらって、とてもうれしかった夏みかんを代わりにおいておくというのがすごいなと思いました。
  ※ 松井さんが、白いぼうしをとった時、ちょうが出た。ぼくは、その時、松井さんは、何をしているんだと思った。太ったおまわりさんが、じろじろ見ながら通り過ぎたところがおもしろかった。
 ★ぼくは、白いぼうしを読んで、おかしいような、おもしろいような気がした。どこがおかしいような気がしたかは、とつぜん、おかっぱの女の子がいなくなったのと、おかっぱの女の子が、松井さんのしらないうちに、乗っていたところが、おかしいと思った。
  ○この話は、とってもやさしい感じがした。そのにおいは、夏みかんだ。もう一ついいことは、松井さんが、とっても楽しい、思いつきのよい人だということです。とちゅうで、女の子が出ましたが、その女の子は、とてもふしぎだ。
  ○ 私は、松井さんはいい人だと思った。なぜかというと、まいごの子なんかは、ちゃんと送ってあげたり、自分がぼうしをあげちゃったから、そのかわりに、夏みかんをおいといてあげたりしたのが、やさしい。人のことを思っている。
  ★白いもんしろちょうも白いぼうしから出てきたりしていたのでおもしろいなと思いました。きっと男の子は、自分がつかまえたちょうとちがっていたで、びっ くりしただろうな。でも、やさしい松井さんだから、ちょうをにがしてあげたのだと思います。

(文章の始まりの文で鉛筆読みをする)
T お話の始まりは、「これは、レモンのにおいですか。」ですね。この文から、考えられること、思いつくことを発表して下さい。
C 誰が、言ったのかな。
C お客のしんしって書いているよ。
T そうすると、お客だから、運転手さんとつながるね。一つの言葉から思いつくことを見つけ、それにつながる文を探して、鉛筆でつないでいきましょう。
   「いいえ夏みかんですよ。」というのは誰が言ったのでしょう。
C 松井さん
C 運転手の松井さん。
C 運転手の松井さんが、お客さんに自慢したくて、車に持ってきた夏みかんが、車の中全部をいいにおいにさせた。
T そうすると、「いいえ」というのは、間違いですと強く言っているのではないね。
C うれしくて、よく聞いてくれましたという気持ちです。
T 鉛筆でつなぐと、「いいえ」からつながることが多いね。
C もぎたてとか、においまでもつながります。
T どうして、もぎたてをつないだのですか。
C しんしが「ほう、夏みかんてのは、こんなににおうものですか。」と言ったのは松井さんには、うれしかったと思う。それで、松井さんはうれしくなって、「もぎたて」 といったと思う。
C 松井さんのうれしいのは、おふくろが速達で送ってくれたのはことが知ってほしか ったのだと思う。
(文章の始まりの文で鉛筆読みをする)
T このように、深く考えていくことも大事ですね。鉛筆読みのやり方もわかってきたと思いますから、今度は自分でやりましょう。
  (話し合いの経過を板書)
  (話し合いにおける子どものつぶやきの例)
 

「これは、レモンのにおいですか。」 
  (レモンのにおいって感じるほど、強いにおいがしたのかな) 
  (レモンのにおいって、ほんとかな)  
「夏みかんですよ。」 
  (だれからもらったのかな)  
「きのう、いなかのおふくろが、速達で送ってくれました。」 
  (速達というから、よほどいそいでいたのだな)  
  (どうして、速達にしたのかな)  
「においまでとどけたかった。」 
  (何でにおいまでとどけたかったのか)  
  (とりたての夏みかんを、はやくとどけてよろこばせたかった)  
  (夏みかんだけでなく、においまでとどけたい親の心)  
  (松井さんは、よろこんだだろううな)  
「あまり、うれしかったので」 
  (とてもうれしい)  
「一ばん大きいのを」 
  (松井さんは、おふろの気持ちがうれしいので、お客さんにもよろこんでもらお  
   とおもった)  
「もぎたてなのです。」 
  (しんしに聞いてほしいと思った)  
  (においがいっぱいする)  
  (今日は、よいことがいっぱいあるぞ)  
  (しんしはどうしただろう)  
 
(鉛筆読みの経験を生かして、続きの場面を読む)
T 今度は、「アクセルをふもうとしたとき、松井さんははっとしました。」というと ころを考えましょう。
  (学習範囲を読む)
T ここには何のことが書いていましたか。
C 白いぼうしを見つけた松井さんのことです。
T 白いぼうしのことがよくわかるのはどの文でしょう。
C 「小さな白いぼうしが落ちているぞ」から、「小さい」ことがわかりました。
C 置いているのと落ちているの少し違う。
C かわいい白いぼうし
C ぼうしをつまみ上げる
C よほど小さいのだと思いました。「つまみ上げる」というくらいだから。
T それにつながる文をみつけることができますか。
C ふわっとというのが同じ感じだと思います。
C 飛び出しましたもつながっていいきます。
(このような話し合いの過程での子どものつぶやきは下記のようなものであった)
 
「アクセルをふもうとした時、松井さんは、はっとしました。」 
  (なぜ、はっとしたか) 
「おや、車道のあんなすぐそばに、小さなぼうしが落ちているぞ。」 
  (風がふいたらどうするのだろう)  
  (小さいから、きっとかわいいぼうしだろう)  
  (なんでおいてあるのだろう)  
  (つまみあげた)  
「かわいい白いぼうし」 
  (お話によくにあう)  
  (もんしろちょうが飛び出してびっくりしただろうな)  
「緑がゆれているやなぎの下」 
   (夏らしいな。白いぼうしととてもよくにあう)  
   (白いぼうしがよくにあうな)  
「もんしろちょうです」 
   (このちょうが後で、お客さんになるのかな)  
   (ほんとにびっっくりしているみたいだな)  
   (どうして、ぼうしの中にはいっていたのかな)  
   (びっくりした松井さんの様子みたい)  
あわててぼうしをふり回しました。 
   (びっくりしたようすがよく分かる)  
なみ木の緑の向こうに見えなくなってしまいました。 
   (緑がきれい)  
   (びっくりしただろうな)  
   (松井さんはとても残念だろうな)  
 
?

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

?
(このつぶやきをもとに、ノートにまとめさせた)。
T 鉛筆読みの感想はどうでしたか。感想を聞かせて下さい。
 
C はじめはむずかしいと思ってたけど先生といっしょに勉強をしているうちにおもしろくなってきた 
C 白いぼうしで考えていた時、ぼうしに関係ある言葉が、いっぱい あるので、文っておもしろいなと 思った。 
C 鉛筆読みを初めてしたけど、分かりやすいと思った。 
  (鉛筆読みノートの例)
?
  意図と考察  
○ 鉛筆読みが授業の効果をあげたのは、語と語を関係づけて読んだり、言葉の意味を多面的 に考えようとしたことである。話し合いだけでは、子どもがわかったような気持ちで見過ごしてしまうことが、鉛筆読みを通して、深く考える契機になっていた。 
○子どものつぶやきが授業の中に生かせなかったのは、鉛筆読みに浸ったからであろう。 
 
?
(次頁は、教育実習生の指導・授業記録略 指導案のみ)
(女の子が、ちょうらしいと考えられるところを見つける話し合い)
T 今日は、学習のまとめです。今までの勉強で、もう少しわからないなと言うところ をみんなで考えましょう。
C あの女の子が急にいなくなったのが不思議です。
C 男の子のことが書いてないけど、あの後、男の子はどうしたか知りたい。
C 男の子は、ちょうの代わりに夏みかんが入っていたので、目をくるくるしていたと 思う。
T 男の子のことのことは、ここには書いてないので、想像して考えるといいよ。
  女のこのことは、もう少し文章を読んでいくとわかるよ。
C ちょうは女の子です。そう思えるところがある。
T ちょうだと思える所を探してみようか。
  (子どもたちが見つけて文)
  ・菜の花横町ってあるかしら(ちょうが好きそうな所)
  ・「早く、おじちゃん、早く行ってちょうだい」(男の子に見つけられるのを心配してあわてている。見つかったらつかまる)
  ・せかせかと(ちょうらしい。あわてている)
  ・しろいちょうが二十も三十も(ちょうの仲間になった)
  ・「よかったね。」「よかったよ。」(ちょうとお母さんの会話)
T やっぱり、ちょうみたいですね。「よかったね。」というのは誰が言っているのかな。読んでみよう。
C  お母さんと家族です。
T「それは、シャボン玉のはじけるような、小さな小さな声でした。」これについてはどんな感想ですか。
C うれしい気持ちがはじけるみたい。
C とても小さい。
T ここの場面は、みんなの感想をまとめると、ちょうが帰ってきてよろこびのあふれた所ですね。様子を思いながら読んでみましょう。
 
C(個々に音読) 
T ところで、学習のまとめをするのだけど、どんなことでしますか。今 までの勉強を思い出して提案して下 さい。(C反応少ない) 
  例えば、その日、松井さんは家に帰ってどんな日記を書いたのかとい のはどうかな。
C それだったらできる(以下略)
  意図と考察  
○学習のまとめを、続きや日記という方法で 思いを表現させた。「家に帰った松井さんは その日、どんな日記書いたか」という働きかけは、子どもに分かりやすいものであった。 
○日記だけにとどまらす、まんが、続き、手紙という方法を見つけた子もあった。 
○まとめは、文集にして相互に読み合わせた 
 
?

(次の児童のノートは、物語の続きを日記で表したものである)

4 考察
○自ら学ぶ力を育てることを目標に構成してきた授業ではっきりしたことは、子どもが学習の仕方を理解すると、自分なりに読みを作っていくということであった。本実践では、鉛筆読みという方法を取り上げたことが、子どもの中に学ぶことに自信を持たせ、深い読みに向かわせていった。
○学習方法は、子どもが仕方を身につけるまで丁寧に指導を続けることが、学ぶ力を育てる上で大切になる。多くの場合、一人立ちを急ぐあまり、充分に仕方を身につけないまま、指導を続けると、中途半端なまま学習を進めてしまう子が多くなり、定着しないことになる。
○一斉学習で指導することと、個別学習で学習をする事との目的を子どもに自覚させておくことが、意欲を高めるきっかけになる。本実践では、鉛筆学習、速読という個々に関わる学習と、「女の子は誰だろう」という共通に考える学習をはっきりさせてことが分かりやすいという思いを強くさせたようである。
○つぶやき等の子どもの本音を授業にどのように生かすかについては、授業構成を含めてこれからの課題である。
  子どものつぶやきは、素朴なものである。その素朴さを意味あるものにするために、
授業として、更に工夫をすることが必要であると感じることが多かった。例えば
 

「アクセルをふもうとした時、松井さんは、はっとしました。」 
(なぜ、はっとしたか) 
「おや、車道のあんなすぐそばに、小さなぼうしが落ちているぞ。」 
(風がふいたらどうするのだろう)  
(小さいから、きっとかわいいぼうしだろう)  
(なんでおいてあるのだろう)  
(つまみあげた)  
という場合、「なぜ、はっとしたかに」にとどまらず、松井さんに焦点を当てて読ませること とが大切であるし、「風がふいたらどうすのだろう」でとどめておいては、深まらないのであるが、授業では、その思いは生かせなかった。一人一人のつぶやきのよさを、感じ取る耕しと問題意識を子子どもが持たなければ、つぶやきのままに終わってしまうからである。
○授業の後半で、子どもにつぎのような授業場面がある。
 
T 今日は、学習のまとめです。今までの勉強で、もう少しわからないなと言うと 
  ころをみんなで考えましょう。 
 
これは、子どもにとっての意外な発問であり、学習を活性化させた。
 
TOPへ
Copyright(c) 2007 絆ー365日 All Rights Reserved