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冒頭文を読む 「木かげにごろり」(金森襄作文)
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冒頭文を読む 「木かげにごろり」(金森襄作文)

1、「世界の民話」を読む
「木かげでごろり」はよくばりな地主を、お百姓がこらしめるという筋書きである。書き出しは、次のようになっている。
★   ★   ★
山こえ、七つの山をこえた山里にそれはのどかな村があ りました。おひゃくしょうたちははたらき者でみんな助け あいながらなかよくくらしていました。
でも、一つだけこまったことがありました。おひゃくし ょうたちに土地をかしている地主が、とてもよくばりでお 米や麦 などをどっさりよこどりすることです。
★   ★   ★
「山こえ、七つの山をこえた村里に」から始まる話は、日本でいえば「むかしむかしあるところ」ということだろうか。出てくる人は「おひゃくしょうい」と「地主」という設定も日本とよく似ている。日本のお話と似ているところ、少し違うところなど、日本の昔話や民話と比べて読んでいくとおもしろい学習なりそうである。

2,人物の設定を読み取る
登場人物は働き者の百姓と欲張りの地主である。百姓は助け合いながら仲良く暮らしている。「でも、一つだけこまったことがありました」が民話の始まりである。だから、困ったことを探すことが読むことの秘訣になる。
「こりゃ、だれのゆるしをえて、わしの木かげに入ろうとする」
  ※こりゃ・・・身分の上下関係
  ※ゆるしをえる・・・語句
  ※わし・・・言葉の使い方。
「木かげを買い取ってから入れ」
  ※買い取ってから入れ・・伏線
「こりゃ、だれのゆるしをえて、わしの門の前でねておる」
「こりゃ、だれのゆるしをえて、わしの中庭でねておる」
「こりゃ、だれのゆるしをえて、わしの板の間でねておる」
と、欲張りの台詞が繰り返し出てくる。つまり、百姓が地主を追い詰めていくのである。
  とうとう地主が、頭をかかえ
「ひええ、とんでもないものを売 ってしまった」
と地べたにへたりこみ、「一つだけ困ったことが解決をする。
  民話の面白さは、読んでその仕組みがりかいできることである。人物の気持ちとか様子等を細々と指導をすると面白さが複雑になるので、登場人物のどちらかに焦点を当てて読ませるようにする。言葉の働きを詳しく読んでいくとイメージが広がる。

3,場面の様子を読み取る
民話の特色は、登場人物だけでなく、風習が大きな位置を占める。それは場面の様子に表れる。「ご先祖さまのくよう」と言う表現や挿絵を丁寧に読むことも大事である。
※山こえ、七つの山・・・山々
※山里・・・のどかなの対比
※お百しょう・・働き者
  日本昔話と重ねて読むと違いが理解できる。 

 
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