「言葉って不思議」を引き出す
ー海にねむる未来・五年ー(2)
1、自分の言葉で
「自分の言葉で表現するって何だろう」ということを課題に授業に臨んだ。一人勉強のの授業は子どもの本音が出てくる。
「海は、大きな宝の箱だ。」という人がいる。ーの一文を板書した。そして、ノートに写させた。発言を待ったが出てこない。写すという指示に従って書いたのにそれ以上何を求めているの?と問われているような妙な空間が生まれる。
T、私はこれを読んだとき、「人たちがいる」という言い方は正直だと思いましたよ。「海を宝の箱」って考えていなかったから。私は「人たち」の中には入っていないもの。写しながら、考えたことを忘れるいけないから「私は?」って横に書いておきました。
というようなことを話し、板書に付け加えた。
C、思ったことを書いたらいいのかな。
C、線を引いたらいいの。
しばらく待っていたらこのようなことを言い出す子が出てきた。何か心に浮かんできたらしい。
C、「大きな宝の箱だ。」ってあるけど「広い」ではいけないのか なって思いました。
C、「海は」これはどこの海かなって思いました。
本当に思ったかどうかは分からないが、なんとか考えようと言う姿勢を強く感じた。自分の言葉が生まれていると感じた。第一段落を視写させながらつぶやきを書き込ませた。
2、自分のキーワードを探す
少し読みの意識を高めることを意図して、次のように働きかけた。T、「しかも、宝の多くは、いまだ手つかずのまま海の中でねむっ ており」と書いている。二つのことを思ったのだけど二つということが効いたらしい。表情が変わり、緊張したような雰囲気が生まれた。
T、「多くの宝」でなく「宝の多く」ということと「ねむっている」 人間みたいだね。
遠回しに、表現に着目をさせることを意図した。子ども達は、これを発問と受けとめ、「多くの宝」と「宝の多く」の違いを説明しようとした。しかし、それを止めて、子どもが「キーワード」を探す方向へと広げていった。「似た言葉」「よく出てくる言葉」などに目を向けるように働きかけた指導場面は次の機会にしたい。 |