学校便りで言葉について考えを書いています。2学期の(平成21年9月)には次のような文章を書きました。題は「感謝の気持ちを言葉で」です。
2学期が始まりました。例年より早い始まりです。運動会や音楽会を始め、学校行事も計画しています。穏やかで充実をした一日一日になるよう、指導の充実を図ります。
1学期終業の日、「ありがとうございます」という気持ちをご家族の皆様に伝えるこという宿題を課しました。明日でなく、今日、つまり、終業式のその日に気持ちを伝えることが大事だと念入りに話をしました。感謝の気持ちを伝えるのは宿題ではなく、自主的に行うのという考え方があります。学校は指導の場ですから、建前より実践です。教えることはためらいなく教えておくことが大事だと考え、宿題にしました。
受け止める方の子供は多様です。終業式を終えて帰る子を校門で呼び止め、宿題の件を確認をしました。しっかりと答える子もいれば、すっかり忘れている子もありました。その時は、もっと念入りにするべきだっと反省もしました。
気になっていましたので、夏休みに出会った子どもたちにも、「ありがとうを伝えましたか」と質問をしました。「はい」という子もいましたし、そうでない子もいました。
多様な受け止め方は、一学期の指導の成果です。この実態をしっかり受け止めました。
「ありがとうございます」を受け止めるご家庭も様々です。「こちらこそ。」というお母さん。「丁寧にお礼が言えるようになったね。」と言われたおばあさん。「別に」と答え、何も言われなかった」という子もありました。
家族の皆様の反応、特に、期待をしていたような関わりがなかったのは、どうやら、子供自身に責任があるようです。感謝の心を言葉で表すことの大事さに気づかなかったり、相手にをしっかりと受け止めるように伝えることができていなかったからです。
感謝の心を言葉で表すことの指導は今回が初めてではありません。折々に指導をしています。更にしっかりと気持ちを伝える子に育てることが当面の目標になりそうです。
この件について、あるお母さんと話をしました。前後の話は省きますが、印象に残ったのは次の言葉です。
「我が家では、授業料の払い込み用紙を学校から持ち帰ってきたら、お父さんの前できちんとお願いをさせます。1学期、しっかり勉強しますから、授業料を払って下さいと子供が言います。」
私は、我が子にこのように育ててこなかったので、もっと早く聞いていたらよかったと思ってお話でした。大事なことは、子供だから甘く見るというではなく機会を捉えてしっかりと伝えることの大事さを学んだからです。
感謝の心を言葉で伝えることの大事さにこだわるのは、今年の3月に卒業した皆さんが卒業間近の日に「お母さん、附属小学校はすばらしい学校だと思う。6年間通わせてくれて有難う」と伝えた子。退職される用務員さんに3月31日の朝「いつも朝の早い時間から、校舎をきれいにして下さいました。6年間、気持ちよく勉強できました。ありがとうございました」と伝えた子がいたという話が背景にあります。
2学期も「国語力は人間力」を合い言葉に教育を実践します。自分のことを適切に表現する力の育成に力を注ぎます。色々な出来事の中で子供は育ちます。出来事をエネルギーにするのは言葉の力です。適切に表現するとは、たとえば次のようなことからは距離を置きます。ひとり二人のことを「みんな」と表現して混乱させること。指導を受けているのに「注意された」「叱られた」という言い方で伝えること。原因は自分にもあるのに「私はなにもしていない」などです。
学校が落ち着くということは、勉強の雰囲気が高まることです。言葉の力はその大きな支です。丁寧に言葉を受け止めることは子供の思考力を高めます。ご支援下さい。
|