「この子に国語の力があったらもっと豊かな学校生活になっているだろうに」「このクラスに国語の力があったら学習の喜びがますだろうに」と思う時がある。学校生活の諍いの多くは、相手の言い分がしっかり聞けない、自分の言いたいことが相手に伝えられないために起こることが多い。
進んで学ぼうという気持ちを持ちながら、質問に答えられないとか、わからないことをがはっきりしない、まとめ方がわからない等、基本となる言葉に関わる力の弱さから学習に意欲をなくす子も多い。最近、学校と保護者のトラブルが話題になっているが、これについても、子や暴言、暴力という単語だけで伝える。保護者は、その単語から全体を理解しようとするのである。
日常的に、「僕は何もしていないのに叱られた」から始まる子どもの言葉の矛盾に保護者は気づかず、誤解や曲解がそこから生まれるといえよう。友達を思いやる温かい言葉、分からないことを伝える言葉、正確に事柄を知らせる言葉などが脆くなっていることが多い。
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