職員室のトップニュース

▼ドッチボールで受け方が悪く転んでしまった。その結果、後頭部を軽くうってしまった。大事をとって保健室で休養。家庭へ連絡をしても不在。養護教諭・担任・それに教頭が心を痛めるできごと。夕刻、連絡がとれ担任が家庭へ送っていった
▼翌日、おそらく、学校の様子を子どもは上手に伝えていなかったのだろう。保護者からの言葉はない。「今日は元気にきていますか」と担任。お礼の仕方を教える機会ととらえ、養護教諭や教頭にお礼の指導してもらった。担任の気持ちとしては、身内にお礼を言わせることにためらいがあったように見えた。しかし､家庭が、気ぐかないとすれば、回りの大人がそれを教えてやることを教育だろうと勝手に理由をつけてお礼の学習と位置づけた▼最初は「ありがとうございます」だったのが、「昨日は、ありがとうございます」というように内容が変わっていた。短い時間で育った力である。不在の教頭さんの机の上には、「昨日は、僕のために心配して頂いてありがとうございました。ぼくは、もう元気になりました」という文章が置かれていた。
▼話し言葉では、「ありがとうございました」までですませていた子である。「ぼくは、もう元気です」の文章に成長を感じるというのがその日の職員室のトップニュースであった。