「相手を意識して話す」ことを目標にされた授業を参観した。
学習活動は、次の三つの場面を設定して、自分だったらどうするかを考えることが中心であった。
@相手によって話す言葉が違う(年齢)
A人間関係によって違う(同年齢)
B相手への配慮よって違う(情報量)
特に、@の取り組みがABに及ぶのでどのように授業を展開されるかということに興味をもった。
場面設定は5年生が、旅先で道を尋ねるときの話し方で、あらかじめ、年長者と年下のどちらかを選ぶというものであった。この場合、「道をおたずねします」と「道を教えてくれますか」が考えられる。
どちらからでも良さそうであるが、子どもの意欲や課題の持たせ方を発達特性と絡めると、微妙に違うことは体験的に感じるところがあるので、どちらを提示されるかということに興味をもった。指導者は「君、君、道を教えてくれない」を提示された。つまり年下の子に尋ねるという設定が、敬語意識、丁寧語意識、相手意識目的意識の全てを掘り起した。
その後の展開が生き生きとしたのは、始まりのこの決断だったと思っている。
授業者は、授業の名人を目指している先生。さすがと思った。
とともに、名人が遠ざけられる風潮の中、このようなさりげない中に光る技をぜひ参観者に共有してほしいと思った。
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