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 「ちいちゃんのかげおくり」(光村3年下)に次の文章がある。

明るい光が当たって、目がさめました。「まぶしいな。」ちいちゃんは、
暑いような寒いような気がしました。ひどくのどがかわいています。
いつの間にか、太陽は、高く上がっていました

 この文章を読み、「かわいそう」という感想を持つ子は多い。
しかし、「かわいそう」の内容を具体的に語る子は少ない。
このような子供たちに、家族と別れたちいちゃんについて
「かわいそう」という感想を持っている子供達はこの文と
どのように向かい合うかということを考えてみた。

 まず、「かわいそう」に直接つながる語句に向かい合わせる。
「かわいそうに思ったのはどの文ですか」で文を見つける。
 見つけることで読みが深まったと捉えないで、その文から
考えられることを引き出す。たとえば、「目が覚めた時、
どんな様子でし「線を引いた文から何がわかりましたか」で、
子供は考える。「かわいそう」は自分の感想である

「あたりの様子はどのようでしたか」と発問をしても、
深く考える学習は期待できない。なぜなら、文章をなぞって
理解をしたような気持ちに刺さるからだけだからである。
この場面では、例えば「太陽が高く上がっていました」であれば、
「この言葉から何が分かりましたか」と問いかけると、
文章の関わり方が違うはずである。「日が高く」は
昼過ぎまで起きられなかった状態や、このあとに続く
「ふらふらする足をふみしめて立ち上がる」と関わらせて、
熱にうかされているちいちゃんを読みとる筈である。

文字面でなく、語からイメージし読みを深めるには、
子供がこの言葉が大事であると自覚し、その意味を考えるような
場の設定が必要であろう。「分かった」から「なぜだろう」と自問する
場の構成がこれからの課題である。

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