◆うれしいことがあったとき「うれしい」と思い楽しいことに出会うと素直に「楽しい」と思う。しかし、そこに はうれしさや楽しさの程度があり、それが、顔や動作に表れる。
興味がある場合は、繰り返し尋ねたり、体で疑問を表すし、体いっぱいに表す。
感情を表現することの得意な子ども達なのに文章で表すとなると「うれしい」「楽しい」の一言で終わってしまう。
「友だちと遊んでうれしかった」「おもちゃをもらってうれしかった」「自てん車に乗れてうれしかった」という文が毎日積み上げられてくる。
子どもの中にある思いを文章で表す楽しさをどのように育てるかという課題をもったのが本題材設定の動機である。
◆2年生の子どもは、体で自分の思いを表現することが得意である。またクイズも喜ぶ。身体表現やクイズ的な要素を指導内容に織り込みなが、文章で表す良さに気付かせる方法を探った。
「うれしい」「楽しい」という内容を体で表せばどのようになるか、それを文章に書けばどうなるかを比べさせる学習を考えた。
◆表現として考えられるのは、動作で表す、音で表す、表情で表す等である。先ず、作文という概念を子どもの中から取り除き、表現に向かわせることから始めた場合、何が話題として面白いかを模索した。
「きのうのこと」「がんばったこと」などは話題としては豊かになるが、共通性がないことや広がりが見えてこなかったので、共通に学べるものとして絵を考えた。一枚の絵を手がかりに、子どもなりの場面を作らせていけば言葉が生まれる、そこから話題や表現が広がることを期待したのである。
◆相手に分かりやすく伝えるために、関心を高め表現への意欲を支えに、書く力を育てるための以上のような構想をことをまとめると次のようになる。
@書くことを表現の一部と考え、言葉で表現で きるよさに気付かせるための耕しをする。
A子どもの特性を生かした授業を構成する。
B話題に広がりがあり、表現技術うぃ身につけ させる教材を見つける。 |