☆国語力に関わって様々に議論が起きている。昨年から今年にかけて次のような記事が報道された。
○学力、世界トップと言えず ・読解力など順位を下げる
15歳対象の第2回PISA調査・・・・日本教育新聞(12月10日)
○読解力向上、教育活動全体で
指導改善へ具体的方向・・・・日本教育新聞(1月28日)
○いまどきの小学生「赤十字(あかじゅうじ)」「米作(こめさく)」
日常使う漢字苦手・・・・朝日・日経他各新聞(1月28日)
○学力アップへモデル校 大阪府新年度から
小6の約2割が家庭学習について「まったくしない」か「ときどきしかしない」 ・・・朝日新聞(1月)
これらは、国語力の低下を表す特徴的なものであるが、特に「家庭学習をしあんし」ということでは、基本的なところで何かがおかしいと思える。
☆これからの時代に求められる国語力について、「文化審議会答申」が出された。この議論はいずれ
指導要領に反映されるのであろうが、国語力を2領域にしていることや考える力の重視は、国語という
ものの特質から考えると重要である。これからの時代には、これまで以上の国語力が必要であり、
国語の授業も、子供の考える力、表現する力の育成をめざして改善をする必要がある。
@中核として、考える力、感じる力、想像する力、表す力
A@の基盤となる「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」
☆指導要領の目標をしっかり理解して授業に向かわないと、子供達に生きて働く言葉の力を育てることとつながっていかない。国語科の目標は「国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し、伝え合う能力を高めるとともに、思考力や想像力及び言語感覚を養い、国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。」である。これは 「互いの立場や考え方を尊重し、言葉で伝え合う能力を育成する。」(教育課程審議会の答申の基本方針)というコミュニケーション能力の育成をめざしている。
現在の目標であるが、「表現し理解する」の順序になることで、変わるもの・変わらないものの検討が必要になってくる。国語力の視点から技術的側面 では判断力・観察力・創造力
及び内容・構成表現力、コミュニケーションのセンス、スキルの検討が必要になる。人間的側面では人間力(人柄見識・気配り)が人間関係力の両面から伝達能力、状況判断力の育成が大切になってくる。
☆国語好きの子どもを育てるという平易な所から国語科を考えていくのが大事ではないかと思う。国語は難しいという先入観を取り払うことが始まりである。
そのために、先ず、国語の授業は段階をふまえて行えば、国語はおもしろい、国語はよく分かるという子供が増えてくる。面白くないのはどんな力が自分に育っているのか自覚できないことによるという側面もある。
次に、子どもの言語センスを磨く授業を積み上げることである。言葉の不思議さ、面白さに目をつけることを大事にすること言葉のセンスは磨かれるからである。
更に、学んでよかった、という実感の積み上げるために目標、評価の明確化にし、自分の力を測ることを大事にする子を育てるのである。多くのことを知るとともに、自ら求め考えるのが楽しいと思えるようにするための指導方法の開発が必要である。
また、進んで言葉と関わるこどもは、文を読む、書くを当然と考え、目的や場を意識して自らの言葉を大事にする、そのような言葉への配慮ができることが生きて働く力となる。 授業改善は難しいことでなく、子供の言葉の生活を見つめることが前提である。 |