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国語科教室
初めての文(1年)
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  「せんせい、あのね」という教材がある。学校生活に慣れてきた1学期後半、習った文字を使いた くてらない1年生の子どものが得意とする学習内容がある。教材はとし時は、「せんせい、せんせい 。」と静的であるようにみえる。が、子どもが「せんせい、せんせい」と呼びかける時は、伝えたいものが内にあり、動的なものである。授業という場で、このようなものをどの子にも持たせることは難しい。しかし、場の工夫をすることにより、できるだけ本音で話せるようなし、思いを伝えることに喜びや大切さを感じとらせたいにという願いは強い。
本授業は(学級担任が出張した時の補欠授業であり)子どもが本音で「せんせい、あのね」と伝え状況ではなかったが、口頭作文の発展として、書いて伝えることを大切にしようと考えて展開した。
(1)みんなで「せんせい、あのね。」の文をつくる
T 今日、学校へ来る途中1年生の子が「せんせい、雨だね」とお話そしてくれまし  た。今も雨が降っていいますね。(板書)

    せんせい、あのね。
    おそとは あめが ふって いるね。

C まだ雨が降っているよ。先生。
T 雨は好きですか。(うなづく子が多い)でも、いやな雨と思わないで、雨を喜ん  でいるものがいるのだよ。誰だと思いますか。
C かたつむりが よろこんで いるよ。
 C きが よろこんでるよ。
 C なめくじが よろこんでるよ。
T たくさん喜んでいるものが見つけられましたね。今のことを黒板に書くから読ん  でね。
せんせい、あのね。
おそとは あめが ふって いるね。
かたつむりが よろこんでいるね。
C(音読)先生、本にあったよ。ほら。
せんせい、あのね。
ぼく、にじゅうとびが できたよ。
いっかいだけど、はじめて とべたよ。
T 本の友達も先生にお話をしているね。まねっこをして、お話をしてごらん。
C せんせい、あのね。あめが ふったので あさがおが うれしいと 
   いってるよ。
T あさがおのことを考えてあげたのだね。優しいね。きっと、あさがおも喜んでい  るよ。よいお話だね。
C せんせい、あのね。あさがおのところをみたよ。めが でてきたね。
C せんせい、あのね。あめをよろこんでるのは、あさがおだけではないよ。
   かえるが いないけど いたら うれしいだろうね。
T そうですね。かえるもうれしいと言っているよね。あさがお、かえると色々楽し  いお話ができたね。じゃあ、先生に聞いてほしいことを書いてくれますか。
(無地の用紙を配布)

▲ せんせい、あのね。
きのうの ずこうの えが おもしろかったね。(ゆきひろ)
▲ せんせい、あのね。
きのう たっちおにを したよ。おもしろかったよ。
きょう がっこうに くるとき あめが ふってたよ。(だいすけ)
▲ せんせい、あのね。
きのう ぼくは ぐんじょうまわりが できました。すごく むずかしかった
  けど がんばったら できたよ。はじめて できたよ。(たくや)
(T ぐんじょうまわりって なにのことですか。
C さかあがりをして、そのあとから だるままわりを するのだよ)
▲ せんせい、あのね。
きのうおにいちゃんと さっかーしたことがおもしろかったよ。
    (まさと)
▲ せんせい、あのね。
きょう おそとで あめが ふってるね。かめが よろこんでいるよ。
(ちはな)
▲ せんせい、あのね。
きょう がっこうへ くるとき かたつむりを みつけたよ。
かたつむりは よろこんで いたよ。(たまき)
▲ せんせい、あのね。
きのう はじめて れんぞくさかあがりが できたよ。
  こわかたけど できたよ。 とても うれしかったよ。(しおり)
▲ せんせい、あのね。
きのう 1ーいぐみの おんなのこと いっしょに かえたよ。
とっても かわいかったよ。(ときこ)

子どもの思いを表現させ、文字に置き換えるという活動としては、かなり細かな配慮が必要である。本時工夫をしたのは、次のことである。
・共通に話題になることを設定し、問題を持ちやすいようにした。
・子どもの話題を教材化し、考え方の手がかりを分かりやすいもににした。
・書き方がわかるまで、話し合いを続け、意欲の耕し充分にした。
・一人一人に書き方がや表し方がはっきりするように教科書や板書を活用した。
・書いてきた文を音読させ、書いたことを確かにさせた。
「文が書きたい」というのが1年生の子の熱い思いである。その期待は大きいだけに「書きたいことがある」「書いてよかった」という思いを満たす必要があると考えた。
「雨が降った」という機会を捉えて、話し合い、書くという活動につないでことが、子どもの意欲を高めたといえるのではないか。また、無地の用紙を使用したことが、子どには書きやすいという気持ちにさせた。
書いてきた子には、自分で読ませると言う方法が、「せんせい、あのね。」という思いと一人になり、子どもなりに「書いてよかった」という気持ちにさせていった。
 
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