若い頃の話です。学級の子ども達が怪我をして保健室でお世話になることが多くありました。
その時、次のことを言われたのを今も覚えています。
「先生の学級の指導はどうなっているのですか。
怪我をしても自分の今の状態がきちんと 話できな いのですよ。」
よく聞いてみると「けが」「いたい」「てつぼう」「手を離した」という単語しか出てこないのです。
この間に「何をしたの」「痛みはないの」「どうしていたの」という質問が入るのです。
養護の先生は、子どもの言葉をつなぎながら様子を想像するしかありません。
今の子ども達の話し言葉もこの状態とよく似ている部分があるなと思っていた時です。 インタビューの学習を参観しました。「大きな声」「てきとうな速さ」「答えやすい言い方」「相手を思いやる言い方」「いいことを見つける」「相手の人を見て言う」など話し言葉の基本を目当てに学習をしていいました。
「続きのお話は上手だと思うけど、一番がんばったのはどこですか。」
「おしまいのところです。」
「緑がいっぱいなのはどうしてですか。」
「質問の意味がわかりません。」
というように堂々と話を進めていました。
新しい教育では表現する力・コミュニケーション能力を育てることを目標の一つになっています。子ども達の学習ぶりから新しい時代の希望を感じました。自分の言葉で話せるということは、自分も相手も大事にする姿勢と感じたからです。
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