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国語科教室
吾亦紅
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 卒業委員が「卒業生への言葉を書いて下さい」という依頼文とともに原稿用紙を持ってきました。暖めていたことをつぎのようにまとめました。 
  ※  ※  ※  ※  ※

「卒業文集委員会」からメッセージの依頼がありました。いよいよ卒業ですね。おめでとう。
依頼の用紙を見ながら、「吾亦紅(われもこう)」のことを思い浮かべました。 この植物は、
夏から秋に山野でに見られるもので、暗赤色の小さな花穂をつけています。
よほど注意してみないと分からないのですが。秋の花野で「吾もまた紅」と主張して
いるように見えます。昔の人は、このけなげな花を愛しく思い、こんな名前をつけたのでしょう。
名前と花の名が、妙に心に残っている私の好きな花の一つです。

▲卒業文集に何かを書くいう時、この花のことを一番に考えたのは、
今年巣立つある少年との出会いがあったからです。
少年が五年生の時です。私は、校内の掲示に関心があり、色々な試みをしました。
その一つに、小学生新聞を学校生活の中に取り入れることを考えました。
掲示板に貼る新聞の取り替えを誰かにしてほしくて公募をしました。
「ぼくがやりましょう。」
と、彼が申し出てくれた時は、すでに四年生が仕事を引き受けた後でした。
「好意はありがたいけど、四年生が続かなくなった時、お願いします。」
と、言って、断りました。彼との関わりはそれで終わったかに見ました。
その後、小学生新聞の閲覧場所を二階小ホールに移しました。
新聞の整理を誰かにしてほしいなと思った時、彼のことを思い出したのです。廊下で出会った時
「毎日で大変だけど、新聞の取り替えを頼めますか」
こんなお願いをしました。彼は、快く引き受けてくれました。
それから、ほぼ一年、目立たない仕事を続けてくれました。
彼のこの行為に気づいている人はいないかもしれません。
しかし、彼の行為が、多くの人の役に立っていたのは事実です。
彼自身、責任、根気、粘り強さという財産を身につけたのですが。(彼もこのことにはまだ気づいていないでしょうが)

▲花野で、けなげに咲く吾亦紅と彼のことがふと重なって見みえてきました。こころの温まるちょっといい話です。

 
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