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うちの学級
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うちの学級

一年生を担任していた時のこと。
体育の時間、頑張って走っていた子が転ぶというできごとがあった。
何でも、事件にしたがる一年生は、その様子を見て、一斉に笑った。
深く考えた訳ではないが
「笑うようなできごとではありません」
と強く叱った。その叱り方が厳し方のだろう、一人の子が、登校を渋るようになった。
「先生がこわいと言っています」
保護者の言い分であった。そのできごとがどのようにして解決をしたか、記憶に残っていないが、その時、次のことを言ったことはしっかり覚えている。
「うちの学級は、頑張っている子を笑うような子にしたくはありません。転んでいる子を 笑うなんてとんでもない話です。どのように子供さんはお話をされたのですか」
担任という責任感と強さだったと思う。今は父親になっている当時の一年生。
「あのときの怖かったことは今でも覚えている」と合う度に話してくれる。
 
父親になった彼が、小学校の参観日に珍しく行った。廊下で、
「あんなに厳しくていいのですかね」「子供が可愛そう」
と母親同士のひそひそ声に、
「先生を信じない親が、子供に信じられることはないのにね」
と話してくれた。ひそひそ話に「私に任してください」と言える担任の強さが欲しい。
うちの学級のなのだから。

 
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