その教室へ入ったとき、座席の一番後ろに座っていた子のノートが目に付いた。
整った字で、丁寧に書いていた。
「今日の勉強は、昨日書いたことを発表するのよ」と、何も聞かないのに話してきくれた。
「昨日は、どんなことをしたの」
と聞くと、一時間の学習の様子を分かりやすくノートの示しながら説明を続けてくれた。
授業のことがしっかりと分かっている子であった。
その子の前に座っていた子は、ノートは何が書いているのか分からないし、
名前も読めないくらいのプリントを堂々と机の上においていた。
参観者が入ってくるのを数えたり、隣の子と話をしたり、参加者のノートに
興味をもったのかのぞき込んだりしたいた。
さて、授業が始まった。ノートのまとめを発表するという予定通りの授業が進んだ。
教室の後ろの方の座席に座っていた子は、ノートを丁寧に読んだ。
その前に座っていた子は、ノートに書いたこととは別のことを、いかにも
ノートにかいてあるように読んだ。
それだけではない。発表の感想を求められたとき何回も挙手をし、自分の発表の
ことや、友達の発表について意見を述べた。
述べるたびに、内容が広がっていった。
この授業を参観し、この一時間,明らかに力をつけたと思った。
授業の反省会で二人の子の日頃について説明を聞いた。
日頃の学習力はノートを丁寧に書いていた子は、学習意欲を持っている子で、、
もう一人の子は、いつもはあまり授業についてこられないので、
この日のように、意欲的に学習をするのは珍しいこと
と、授業での活躍をうれしそうに話して下さった。
いつもと違う姿を見せてくれた、その子の飛躍する姿に出会えた
ということで、幸せな気分になった。
子供の世界は不思議な魅力がある。
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