新年になるとある風景を思い出します。
まだ小学校に行ってもいない頃、陽の当たる縁側で母から聞く百人一首です。
針仕事をしながら、何か話して欲しいというと、いつも同じ話ですが繰り返し語ってくれました。
母の十八番は「大江山いくのの道は・・・」という歌でした。
大江山の話は、時には鬼の話になったり人を訪ねたりする話だったりで、
あまり詳しくは記憶にないのですが
何となく甘いような雰囲気はしっかりと覚えています。
農家の仕事が忙しい母に落ち着いて話を聞くのは正月くらいでした。
情報化の時代はあのぬくもりがどこかへいってしまったような気がします。
それがよいかどうかはわかりませんが。
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