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国語科教室
喜んでいる子の横で・・
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  好きな者同士で勉強をしてもよろしいか。」
 グループ学習の時等よく子ども達が尋ねにきます。
そんな時、「いいですよ」と気楽に答えていたのですが、それでよかったのかなと思うようなことがありました。
次の作文に出会ったからです。その子の名前を仮にAさんとします。
AさんはBさんと友達になりたいのです。しかし、BさんにはCさんという友達がいました。
Aさんの悩みはそこから始まりました。

「友達になって」とBさんに言うとBさんは「いいよ」と言ってくれる
のですが、Cさんは「いや」と言うのです。

 少し複雑な関係です。 実はAさんには、大好きな友達がいました。
ところが、その友達が転校をしてしまったのです。
Aさんは友達が転校してさびしくなったことをお母さんに相談しました。
お母さんは、Bさんと友達になることを勧めたのです。

わたしは、友達が転校してさびしくてたまりません。ひとりぼっちになったみたいです。
Bさんと友達になったら、きっとCさんがさびしい気持ちになると思います。
そう思うと、Bさんに友達になってとは言えません。
先生、どうしたらいいのですか

随分、前のことなので、作文の細かな所は忘れましたが、概要は上記の通りです。
子どもは、それぞれに悩んでいるのです。悩みながら成長するのですが、
その細かな部分を見逃してはいけないような気がします。
グループ学習や好きな者同士で何かさせるとき、喜んでいる子の横でじっと耐えている子がいることを気にしたいと思うようになりました。

こんな出来事を思い出したのは、手元にあった「花咲山」の本がきっかけです。
友達のことを思うこの子の咲かせた花もあの中にあるのだろうとお母さんの言葉です。
「子どもにはなにもしてやれないけれど、小さい頃から絵本を読んでやりました。
いえ、私が絵本が好きなので、読んでやったというより、この子がいてくれたので、読む機会を与えてもらったようなものですが」と謙虚に語っておられたのも覚えています。

 
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