教師を志す若者たち(26/11/26)
▼大学の授業で「教師像」について講義をします。学生は、自分の師事した先生を思い浮かべながら聞いています。そのことを、書かせながら、教師の仕事や使命について、さらに深く考えさせます。次のような思いで書いた学生がいます。
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小学校4年生の時の担任の先生の一言が今も忘れられません。
「死ねなんて簡単に言うものでは ありません。」
その先生の思い出は、とても優しくてクラス全員の人気が高く、お父さんのような存在でした。休み時間には、女子みんなで先生の所へ行き、一緒に遊んでもらっていました。その先生一度だけ、大きな声で厳しく指導をされたのです。それが先ほどの言葉です。
それは、学活の時間のことでした。その日は、1月17日、神戸の阪神淡路大震災が起こった日であいた。私たちは、地震が起こった当時、まだ1才でした。だから、ほとんど記憶にない出来事です。そこで、先生が、その当時の話をして下さいました。みんなはその話を真剣に聞いていました。先生の話が終わった時、クラスのでは、少しやんちゃ思われていた子がこう言ったのです。
「えっ。それで、先生の妹は、そ 地震で死んだの。」
それは、とてもふさげた言い方でした。言い方が面白かったので皆、笑い出してしまいました。しかし、先生は急に顔を変えて、
「今、なんて言った。」
と、厳しく問われました。みんなは、とんでもないことをしてしまったと思い、黙り込み先生を見つめました。
「死をそんなに軽く受け取るんちゃうで。皆もや。死んだと言って笑うなんて。最近、皆 の口から、死ねって言葉をよく聞きます。これはいけないことです。死ねなんて簡単に 言うものではありません。」と、おっしゃいました。今まで優しいと思っていた先生の厳しい姿でした。厳しかったのは、その時だけでした。それ以来、先生は、また、いつもの優しい先生で大きな声で怒ることもなく穏やかな毎日でした。
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▼このあと、教育実習の時の子どもの出会いを通して、さらに、教えを受けた先生の大きさに気づきます。そして、大きな目標に向かってがんばると自分を励ましたいます。印象に残ったのは次の文です・
「小学校時代、たくさんの思い出がある筈なのにいつも、思い出すは命の大切さと
あの時の教室の雰囲気や先生の表情です。教育実習生として、子どもに注意をしたり叱ったりするときとは気持ちが違うということを感じることがたくさんありました改めて先生のクラスでよかったと思っています。」
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