うれしいことを書く(47年4月6日)
▼ある文集から引用。「ぼくは、春を見つけにいきました。お日さまがぼくたちをむかえてくれました。お日さまのよこにうらしまたろうのりゅうぐう城のような長浜城がありました。とよとみひでよしがはるのひざしにつられてでてきそうでした。(3年)」 ゆったりとした時の経過を感じる作文。簡潔に、春を綴っている。
うれしいことを探さなくても、街を歩いているだけで、うれしいことに出会う4月。学校も始まる。どの先生、お友達は誰?考えるだけでわくわくする。
▼「クラブはどのようにきめたらいいでしょう。」「はじめて、がっこうにきて、きょうしつにはいったら、じぶんとおなじようちえんのひとがすくなくて、しっているひともすくないんだけど、ともだちはどうやってつくるんですか。」 学校生活の疑問に答える文を書くという説明文題材。(北島雅晴さんの実践)。疑問が次のエネルギーになる。「わからないので教えてください」はいいことばである。
▼ポスターの写真や絵だけを提示して、何を目的にしたものかを考えさせ、その根拠を分かりやすく書かせる作文。新聞のスポーツ記事をもとに、負けたチームの立場で、見出しを考え、新聞記事を作り変える作文。「テレビと新聞」を比べ、討論会をした後、その学習経過を振り返り、自分の考え方の変容をまとめる作文。学級通信のカットに吹き出しを書く。それだけで、「書けた」とい満足感が生まれる。できたことが形に残ることがうれしい。うれしいと言わなくても、表情からわかる。
▼作文は好きでないという子どもに書くことを厭わないようにしたいと考え、書きたくなる題材や方法を探すようようになってから久しい。今後、「伝え合う」ということを軸に題材を考えると、手紙、報告、新聞と作文教育に新しい風を感じ胸が躍る。書くことはうれしいことのである。 |