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国語科教室
2本の鉛筆
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2本の鉛筆(12/1/12)
  思いこみで話を聞くと混乱する。そんな出来事があった。事実は一つ。知っているのは当事者だけ。しかし、回りの声で、当事者がいつの間にか、本当のことを言いそびれたり忘れたり分からなくなったりする。それは、よくないことではなくて、考えるとか責任についてそれほど重く考えていないところから起こる。
  学校は出来事の洪水。それをひとつひとつ対応できない。しかし、見逃せが回復に時間がかかる。その見極めが教師力である。2本の鉛筆が引き起こしたできごともその一つであった。
  出来事をまとめると次のようになる。
  @同じ種類の鉛筆を二人(AとB)が持っていた。
  A一人の子(A)が隣の子(C)と貸しあいっこをした。
  B借りた子(C)が返すのを忘れた。
  C貸した子(A)がもう一人の子(B)の鉛筆を見て自分のだと思いこんで取り上げた。
  D訳がわからないので(B)は鉛筆を返してもらおうとしたが返してもらえなので口論になり、泣き出した。
  E担任が指導に入った。鉛筆の行方がわからない。Aは自分の鉛筆だと主張する。Cは鉛筆を返したかどうか記憶がないという。Bは自分の鉛筆だと言い張る。回りの子(DEF)は  Aの鉛筆を「見た」と言いBがAの鉛筆を勝手に手元においたように言い張る。関係のないBが窮地においやられる。
  この後、いくら事情を確かめても鉛筆は一本だけ。教室のミステリー。AがBから返してもらったら起こらない出来事。Bも返したか返していないかをはっきりすればいいのだが、その部分はっきりしない。回りの子は、その鉛筆がAのものであるが、Bも持っていたといわれると、確実にAのものとはいえないという言い出す。
  教室で起こるトラブルは、このような曖昧な記憶やあいまいな証言で起こる。
  解決策は、担任は見ていないのでどれが正しくどれが正しくないかは分からないので、どれも正しいということの理解が大事。
  その上で、全く関係ないBを悲しい思いをさせたことをわびること。そうなったのは、まず、関係のないCDEがの曖昧さがあることを理解させる。そして、Aも。確かめる相手はCであるのにBBの鉛筆を自分のものと思いこんだこと。そして、C借りたものを責任を持って返さなかったこと。
  Bを悲しい思いをさせたのはこのような要因だが、全ての責任は、このようなできごとを起こしてしまった教室、つまり先生であるといってBに謝る。気持ちがあれば、ACDEFもBに詫びる。
  しかし、これは、これから何回でも起こりうる可能性がある。そうならないようにするにはどうしたらよいか、勝手な思いこみで悲しい思いをする人がいることに気づかせることが大事。この出来事から学んだことは何かを考えさせる。Bの悲しい気持ちは落ち着いたという。
  最後に鉛筆を2本、教師からABに一本ずつ。二人は鉛筆でたくさんの勉強をした。みんなも勉強をした。同じ鉛筆を手渡し、なかよしの記念として。
  Bの持っていた鉛筆は、できごとを忘れないように宝物として掲示板に貼っておくのはどうだろう。

 
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