ソウ。ソウ。ソレデ。(24/06/20)
入学してしばらくは楽しい学校生活の話を繰り返していた一年生の子でした。が、気がついたら、嫌なことや困ったことに話題がかわり、そのうち、だんだん話をしなくなりました。心配をしたお母さんは、担任の先生に相談をました。先生は、
「お話をしっかり聞いてあげて下さい。」
と、助言をしました。お母さんは、先生の助言の通り話を聞くことにつとめようと心に決め、その日からお母さんは変わりました、
「学校で嫌なことがあったの。友達が」
と、言い出した時、いつもだったら、
「どんなことがあったの」「どうしたの」と聞き出そうとしていました。が、その気持ちを押さえて、「ソウ。ソウ。」と相槌をすることにしました。鉛筆がなくなった話も「そう。ソウ。ソレデ。」を続けました。
「ソウ。ソウ。ソレデ。」の効果はすぐに表れした。鉛筆がなくなったのは、友達がそう言っていたことであると言い直しました。嫌なこともについても、楽しいことがもっとあると話し出したのです。話しながら、次々と学校のことを思い出し話が広がったのです。
嫌な子と言っていたのに、話の途中から、
「おにごっこでは、走りが早い子だよ。」
「けんかしたけど、ボクもよくなかったよ。」
と、話が友達のことを嬉しそうに話すのです。 お母さんは、子どもの変化に気づきました。それは、「お友達は、どうしてたの。それからどうなったの。鉛筆は出てきたの。」と、矢継ぎ早に聞き出していた自分との違いに気づいたからです。
「ソウ。ソウ。ソレデ。」は、子どもの心を育てる魔法の言葉としてお母さんは、それかずっと大事にしているそうです。(吉永)
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