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名前と返事
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名前と返事(23/8/6)

「いのち」を大切にすることは生かされていることに感謝し、報恩の気持ちを大事にすることだろうと考えています。生かされていることは、改めて考える時は、そう通りだと思うことが多いのですが、日常は忘れがちで、自分中心になってしまいます。それが普通です。だから、時々は、感謝の気持ちを忘れないように「いただきます。」を唱えます。「さん。はい。」を繰り返して言い続けています。
名前を呼ぶ時、呼ばれた時の「さん。はい。」は、いのちにたいする畏敬の気持ちを表現するものです。私の名前は、両親からいただいた最初の贈り物でだからです。自分も友達も誰もが、名前を持っています。大事にしてほしいし、大事にしたいのです。
ところが、名前で呼んでもらえる機会それほど多くはありません。一番多いのが子ども時代です。特に、姓名で呼ばれる時など、特別な機会を除けばほとんどありません。だから貴重なのです。もちろん、姓をだけでも名前を呼ばれていると捉え、「さん。はい。」を繰り返し、いのちに対する畏敬の気持ちを考えてほしいという考え方が基本にあります。
「こころ・ことば」は、合い言葉である「国語力は人間力」と関わっています。言葉はその時々の気持ちを表現します。心が言葉になり、言葉が心になっています。例えば、「勉強しなさい。」「勉強します。」も文字で書くと記号です。しかし、場と状況を得ると、心が通い、意味がふくらんできます。言葉の使い方や言い方によって、尊敬の気持ちを高めることにもなり、そうでないこともあります。
最近は、少なくなりましたが「暴言・暴力」の類がそれです。少し前は、肩に手がふれただけで「暴力を受けた」という子がいました。その頃は、その言葉に、あまり、どきっとしなかったという言語環境でした。場にふさわしくない言葉を使っても気にならないという風土だったからです。最近では、「叱る・怒る」という言葉でもどきっとするくらい言語環境が整ってきました。学びの場ではふさわしくないという環境になり、「指導」という言葉が広がってきたからです。同じような言葉で、「注意」も、「注意をしました」も、気持ちが落ち着きません。いい言葉を探し中です。アドバイスがいいと教えてくれたこもいます。環境というのは人の心を作っていきます。本校が目指す「丁寧語が日常的に使える」ことは、丁寧に振る舞う、考える環境つくりの上では大事なことなのです。
余談になりますが、朝の挨拶も気をつけて聞いていると、「オハヨオーゴサイマアース」「オハヨウ ゴザイマス」「オハヨウオゴザイマウス」など、実に多様です。一言の言葉ですが、その日の心が伝わってきます。

 
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