聞きたい話(24/02/28)
著名な音楽演奏家がコンサートの主催者が恐縮して質問をされた。そのコンサートは野外。カラスや虫の音で演奏者が困るのではないかという配慮であった。その配慮に対して、
「人間の耳は、聴く音を選んでいるようです。何でも、耳に入って くるというものではなく選んでいるのですねようですね。」
と、答えられたという。しかし、耳がどのような働きをしているかについて専門家の考えを待つとして、経験してきてきたことと併せて考えると納得ができる話であった。そして、音の専門家の言葉として心に残った。
教室で授業をしている時の多くは、聞く活動である。先生の指示、友だちの話など、授業の9割以上は音に囲まれている。その一つ一つを耳が受け入れていたとしたら混乱を招く。おそらく、何かの基準で選択をしているのだろうと思う。
ここで少し、教室の風景を思い返しみた。例えば、国語科の授業では、「ここは大事ですよ。」「どのように考えましたか」「自分の考えを述べましょう」と次々と指示がでる。時には、「この問題を考えましょう」と指示をしながら、「少しむずかしいから、思ったことでいいです。」と訂正し、「何でもいいです。」と許容範囲が広がる。先ほどの演奏家の言葉では、耳が選んでいるとしたら、適当に聞く術を覚えるのだろう。
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