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ある朝のできごと
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ある朝のできごと(24/04/10) 

 ある朝のことです。1年生の富雄さんと義彦さん(いずれも仮名)が登校してきました・富雄さんは泣きしゃくりながら帽子を手に持っています。手にした制帽は、あごひもが垂れ下がっています。大体の様子から、トラブルがあり、帽子の取り合いになったのだろうということは予測できました。
しかし、勝手な思い込みはいけないと思い、出来事の経緯を聞きました。富雄さんは、義彦さんが帽子を取ってあごひもを引っ張ったと言い張ります。義彦さんは、何もしていないと否定をします。
あごひもが垂れ下がった帽子と泣いている姿から明らかに、義彦さんが本当のことを言っていないことが分かりました。しかし、否定をしているのでどうしようもありません。しばらく、帽子のあごひもを直し、出来事が起きるまでのことを思い出させました。話の経過から分かったことは次のことです。
@始め、富雄さんが義彦さんをからかった。(義彦さんには日頃、 言われては嫌な言葉がある。それを言われると、気持ちが落ち着 かない。富雄さんはそのことを知っていた。)
A義彦さんは辛抱をしていたが、何回も言われるので、言い返し をした。
B言い返されて、腹が立ち、富雄さんは気持ちが高まり、胸から 首のところを手で押しつけた。
C義彦さんは苦しくなって帽子を引っ張った。その結果、あごひ もが垂れ下がった。
その日、富雄さんは、朝からお母さんに厳しく注意を受け、あまりいい気持ちでなかったことが、からかいの原因であることも推察できた。話し合いの過程で、互いの気持ちも落ち着き、仲良しになることを約束して教室へ向かわせた。 
子ども世界を理解をしようという気持ちがなかったら、泣いている子に同情し、義彦さんをを意地悪をする子、よくない子にしてしまうていたかもしれないと冷や汗がでる時間であった。丁寧につきあうことの大事さを学んだ出来事でした。

 
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