「一つ花」の教材研究の会へ参加した。議論の中心は、「戦争」をどのように理解させるかということであっ た。20代から30代の皆様には新鮮な話であったらしく盛り上がった。「戦争・大変・
貧しい」という言葉が行き交い、「戦争という大変な時代に生きた家族」というような言葉で話がまとまっていった。
教科書には「戦争がはげしかったころのことです」「そのころは、おまんじゅうだの、キャラメルだのチョコレートだの、そんなものはどこへいってもありませんでした」という記述がある。何もないという時代の様子をこの文脈から想像することが大事だろうと提案をした。時代背景が分からなければ理解できないという考え方から始めると説明が先になる。文脈の理解から始めると、布置されている言葉の軽重を考えるようになる。説明を求めることが大事であろう。
議論の途中で、「ゆみ子のお母さんは、自分の分から一つ、ゆみ子に分けてくれるのでした」の意味を考える発言が生まれた。ゆみ子はいつもおなかをすかしていたのかもっともっとといくらでもほしがるゆみ子。それに対すお母さんの行為。同じことが、後半にもでてくる。「自分の分からひとつ」は満たされたものの中からではないことに話がまとまるのに少し時間がかかった。その時代を理解する難しさである。 |