書くことで育つ学習力(26/02/10)
藤の子文集が手元に届きました。平成二五年度の学習成果を文集という形で残せることができたことに感謝します。少しまえ、文集が学校や学級だけでなく地域を含めて多くの人の手で作られていました。その頃は、書くことで自分を表現することが心を開く大切な方法だったのです。その後、地域文集が姿を消し、学校や学級からの姿を消しました。さんな中で、京都女子大学附属小学校が文集を毎年発行していることはとてもいいことを続けているという意味で誇りにしたいものなのです。続けてきたものをなくするのは簡単です。しかし、一度、止めると、次に発行するときは、大きな力が必要です。いつまでも、発行できることを期待します。
ところで、文集には二つの大きな力が働いています。それは、書くことに関わる学習力です。書くことは多くの力が含まれています。まず、何を書こうかと考えます。書きたいことを思い出します。思い出した中から書けそうな題材を選びます。作文になるかどうか見通して立てます。そして、これにしようと決めます。それだけではありません。鉛筆を持って文字を書こうとすると何から書こうかと考えます。どの言葉を使おうか、漢字にしようか平仮名にしようか比べて表現効果を比べて使う言葉を決めます。読み返します。間違ったら消して書き直します。更に、清書をするときには集中して書かないといけません。
書くことは思考力や集中力を育てるといいますが、このように活動を並べていくととても大事なことをしていることが分かります。
文集を読むこと同じです。順番に読むという方法がありますが。多くの人は、自分の作品を読み、友達の作品を読みます。その時、必ず、面白いことが書いている、その時どうしたのだろう、自分が経験したことと同じ、私はそのようには考えないなどつぶやいているはずです。文章と対話し自分と対話をするという大事な言葉の学習をしているのです。少しむずかしい言い方をすれば自問自答するという力が育つ学習をしているのです。
文章を書く、文集を読むという簡単に見える学習です。しかし、人が成長するうえで欠くことのできない大事な学習を全校で取り組んでいることがすばらしいのです。そんな貴重な学習力を育てる場を作って下さった先輩や先生方に感謝の気持ちをお伝えした気持ちです。 (藤の子文集前書き)
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