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学習力を育てる
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好きな場面や言葉をくわしく読む過程で学びの力が育つ

「ごんぎつね」(4年 光村)の5の場面は、ごんが兵十が寄り添おうとしている気持ちが強く表れている。教材は「ごんは、お念仏がすむまで、いどのそばにしゃがんでいました。」から始まる。授業は、この場面の音読から始めた。その後、、自分が好きな文を一番上手な方法で読むことを指示した。今まで、何回も音読をしてきた子どもたちは得意になって読む。この読み方が学習の起点になる。
「気持ちよく読めましたか」
「聞いていて、気持ちがよくなりましたか」
と尋ねながら、物語の展開を思い出させる。そして、気持ちが読むことに向いてきた段階で学習の目的を確認し、気持ちが表れていると思う文をカードに書かせた。
「へえ、こいつはつまらないな」
「きっと、そりゃあ、神様のしわざだぞ。」
「毎日、神様にお礼を言うがいいよ。」
「二人の話を聞こうと思ってついていきました。」
「兵十のかげぼうしをふみふみ行きました」
等の文を子どもたちはカードに書いた。 その中で会話文を書いたカードを黒板に貼った。
「このカードを見て、共通しているのは何ですか」と発問した。
 しかし、反応はない。「共通」という意味が分からないらしい。そこで、辞書で調べさせた。再び「共通するものは」と尋ねた。「カギ」ということを確認し、気持ちが文の中に出ているかどうかを確認した。
「へえ、これはつまらないな。」という、言葉は「つまらない」からわかるが、他はその理由が必要になる。理由を確認した後、実際に気持ちが表れているかどうか確認するために音読をした。
「さっきの話は、きっとそりゃ、神様のしわざだぞ」
「えっ。」
「いろんなものをめぐんでくださるのだよ。」
「そうかなあ。」
の文を音読しながら、確かに会話文が気持ちを表していることを確認した。
 つまり、ここまでで確認できたことは、気持ちを読みとるには次のことを手がかりにするとよいということである。
「会話文を手がかりにする」「気持ちが直接表れている文を手がかりにする」「会話文は声に出して表すことができる」であった。
 次に、地の文を書いたカードから気持ちは直接には出ていないように見える動作や様子を表す文からも気持ちが出ていることを確かめ気持ちが表れたていることを確認した。
 この事例をから、学ぶ力と喜びを育てる技術という面で次のようにまとめることができる。
 ・好きな言葉に着目させることで、読みの目的を明確にさせる。
 ・会話文、気持ちを表す文など表現を根拠にすることで、学習の仕方を確かなもの  として身に付けさせる。 
 ・語や文の関係を理解させることで、確かさや豊かさへの思いを広げさせる。
 
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