A クマノミ こんにちは、イソギンチャクさん。
B イソギンチャク こんにちは。
A クマノミ あっ、そういえば、前から聞こうと思っていたんだっけど。
B イソギンチャク なあに。
A クマノミ それは、クマノミさんの体が強いからだよ。
B イソギンチャク そうだったんだ。じゃあ、なんでクマノミさんがぼくのしょく手に中に入るの。
A クマノミ それは、ぼくをねらう敵がぼくをおそれるから、イソギンチャクさんの
しょく手ににげて、かくれるからさ。
A イソギンチャク そうだったんだ。
B クマノミ ぼくの仲間は5種類いてね。ぼくはその中の1種なんだ。
それでは、イソギンチャクさんの特徴は
A イソギンチャク ぼくのとくちょうはどくえびなどをしびれさせて食べているんだけど
きみは、だいじょうぶだね。
B クマノミ ぼくには毒はきかないよ。
A イソギンチャク そうだよね。クマノミさんの種類は毒はきかないんだよね。
B クマノミ これからも。ぼくたちを守ってくださいね。イソギンチャクさん。
A イソギンチャク 守ってあげますとも。クマノミさんも食べ残しをちょうだいね。
B クマノミ うん。じゃあね。イソギンチャクさんそうじをしてあげるね。
原田小学校(尾道市)4年の学習。クマノミ役の子とイソギンチャク役の子が自分たちで調べたクマノミと
イソギンチャクの特徴を対談という形で発表をしている。
指導の目標は話すこと・聞くことの力を育てること。
研究として2年目。3年生の学習の成果と4年になった勢いが一つになった学習力の定着を感じる。
二人の対談の見事さは、まるで、対談劇を見ているようであった。
二人の対談が終わると、上手な所を発表する。それが一段落すると、
次の発表者を希望して勢いよく挙手をする。
対談のネタは、図鑑やインターネットであるが、そのまま丸写しでないので、
対談に勢いがある。原稿を読んだり見たりしているが、適当にアドリブが入り、
二人の呼吸もぴったりである。見事な4年生の学習であった。
この学習の成功を裏付ける要因を探ってみた。考えられることは次のことであった。
@対談という学習のステージにまるごと乗っていたこと。恥ずかしいとか、間違った
らどうしようという迷いがなく、対談に自分を置くことが学習であるという学習意識
をしっかり持っていたこと。
A魚や海の生き物になることが4年の子の知的関心を高めた。
B相手の顔を見る、大きな声ではっきり言うなどの目標を自覚していた。
C人間関係が豊かで対談に必要なコミュニケーションの条件が整っていた。
Dモデルとなる先輩のビデオが対談のイメージを確かなものにした。」
E話すために書くという言語活動が対談に生かされていた。
授業の後の子供たちの満足そうな顔が印象に残る授業であった。 |