授業で子どもと教師が真剣に向かい合う時がある。
多くは、教師に軍配が上がる時がある。
その授業もそうであった。
お話で雪の日にねずみが郵便屋の代わりにリンゴをキツネの家へ届けるという内容であった。
ハプニングとして、リンゴを雪の中に見失いネズミが探すという時の気持ちを
「偉い」ということに焦点づけて話し合いが進んでいった。
ある子が具体的な数をあげて、雪の中で探すのがいかに大変であるかを説明しようとした。
しかし、授業の進行を気にする教師にはその子の思いがとどかなかった。
それは、説明する子の言い方が断片的であったこと等で、思いはなかなか伝わらなかった。
「あなたの言いたいことはこのことですね。」とまでは言わないが、それらしき言い方で、その子の発言をまとめようと
して「そうじゃない。」と言う意味で「違う」と言いきる強さをその子は持ち合わせていた。
その様子を見ていた子が
「先生、山田君(仮名)のいいたいことは・・・」と自分の解釈を入れて説明をした。それを補いように
二人目の子が発言を続けた。
もし、このようなことを意図して授業を進められたとしたら脱帽。
ハプニングとしたら明らかに軍配は子ども。
いずれにしても、日頃、ねばり強い子どもとの関わりが
研究授業という場で見事なドラマになったという意味において感動した授業の断面であった。
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