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みんないいこ(05/06/05)

 よくある教室のできごとのトップは喧嘩であろう。よく見ているときっかけは些細なことである。
「筆箱が邪魔になる」
「ランドセルにさわってよごした」
ということ等。最初の段階で解決ができないと口論になり、更に手を出すといいうことにもなりかねない。
「筆箱が邪魔になってることに気づかなかったの。ごめんね」
「少し言い過ぎたよ。」
という言葉が交わせたら、諍いは仲良しの始まりになる。
残念ながら、許し合う言葉を知らない子が多い。
「ぼくも悪かったのだけれど」
「いたずらをしようとする気持ちはぼくにもあるのだけれど。」
こんな言葉をどこかで教えてやりたい。

 気持ちが合わない友達について語るとき
「いつもいたずらをして困る」
「みんなが迷惑をしている」
という言葉を好んで使う子がいる。
子供の使う「いつも」や「みんな」に気をつけた方がよいという知恵をいつのまにか身に付けてきた。

 ほしいものがあると
「みんなが持っている。ないのはぼくだけ」
このように言われると親は弱い。
「みんな、今日のテストは難しかったと言っているよ」
この言葉に教師はよわい。それなのに大人の「みんな」は子供には通じない。
「こんなことをすれば、みんなが困るでしょう」
この中に自分は入っていないと思っているから注意が行き届かない。

「おはなをかざる みんないいこ」
「なかよしこよし みんないいこ」
小学校で初めて出会った言葉が「みんな」であった。ことばは
「みんないいこ」を生み出すちからであることを教室で是非教えたい



諍いの程度にもよるが、大きな喧嘩になる前に、時間をかけて「いつも」や「みんな」と解きほぐしていくといつの間にか」という自省の言葉も生まれてくる。言葉で考えるということの尊さを共有できる時である▲今の子供達は、豊かな人間関係を生み出す言葉をあまり知らないような気がする。「ごめんなさい・ありがとう・いっしょにしよう」など良い言葉が身近にあるのに(吉永幸司)