▲廊下を走っていて転んだ子がいた。注意をしようと呼び止めた。そして、その事実を確かめようと話しかける前に、「山田(仮名)が追いかけてきたから」という言葉が飛び込んできた。山田さんは「おまえがたたいかから」と言い訳めいたことを言い始めた。個人的にこの子達に関わるのは初めて。きっと大人は、こうすれば、自分に有利に働くという知恵を身につけてきたのだろう。
▲「あなたたちの話を聞いていると、呼び止めなかったらよかった」といやな気持ちになっています。転んだことは間違いがないのだから「怪我をしなくてよかったとか、私が追いかけなかったらよかったという気持ちはなかったのですか。」とたずねたらきょとんとしていた。どうやら、そこまで思いがひろがらなかったらしい。そこで、狭いところは走る危険性や辛抱することの大事さを話したが通じたかどうか。その奥に、互いに好意をもっていないという伏線もある。
▲社会の風潮として「99パーセント非でも1パーセント正義ならオセロのように1パーセントが99パーセントを覆す論理が幅を利かせている。その流れの中にいると思うと、悪さを見つけられた子が「ぼくだじゃない」という論理がわかるような気がする。