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 始まりは?(051001)

 子供の意欲ややる気は何がきっかけで生まれるのかわかりません。
 ある一定のルールがあるのではなく、偶然生まれるものもあるような気がします。
 次の事例がそうです。
 授業が始まっても、遊びに夢中で、教室に空席が目立つような時期がありました。
 最初は
 「遊びを切り上げて授業に遅れないようしなさい」
 と注意をしたのですが効果がありません。
 方法を変えて、チャイムと共に教室にいる子だけで、教科書の斉読を始めました。
 授業に遅れた子は「もう授業が始まっているよ」と合図の目配せをするだけです。
 後れてきた子は、慌てて、教科書を出し、汗を拭う時間も惜しんで一緒に読み始めたのです。
 「みんなに迷惑をかけないように、教科書を出し、一緒 に読もうとしたのが立派だよ」
 と、遅れたことより、授業に進んで参加しようとした態度をほめました。
 その後、この方法を続け、気がついたら、授業の始まりに空席はなくなっていました。
 「授業が始まりますよ」
 注意をしただけでは効果がないので、
 「授業が始まっていますよ」
 と子ども自身が気づくのを待とういう気持ちからうまれた知恵です。
 叱られると思っていたのにそうでなかったという意外性が子どもの
 心を動かしたのでしょうか。子どもにはきっと「先生は機嫌がよい」と見えたのでしょう。