HOME > ちょっといいはなし > 連結器 >「あちら」でいいの?

 ホテルのロビーに披露宴を終えたばかりの新郎新婦がうろうろしていた。控え室が分からないようだった。
  近くの職員は、二人の質問に方向を指示下だけ。きっと「あちら」と教えたのだろう。指示の方向へ向かった二人は、行く先がりかいできないらしく、不安げな様子だった。
  別のホテルでも同じような光景に出会ったが、職員が一緒に二人を気遣うようにしっかりと案内をした。
偶然の二つ光景。職員の意識の違いを強く感じた。控え室くらいはわかるだろう自分の勝手な解釈で対応するか、初めての場所で戸惑ってるのではないかという気持ち。つまり、相手に対する気遣の有無である。
学校でも同じ。来校者に対して、指で示すだけであったり教室まで案内する等、対応は様々である。
  毎日の生活の中で、教室の場所馴れた場所である。それが、来校者には分かりにく。「教室くらいわかるだろう」
という意識の中には、相手への心遣いは希薄である。しかし、「学校の大事なお客様」という気持ちになれば対応も丁寧なる。小さなことであるが、学校の評価は変わる。
  華やかな夢を商品にするホテルのちょっとした落とし穴。馴れることの脆さを学んだできごとであった。(k)