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黄雀風(27/4/13)


指の皺漁師の誇り黄雀風
明日葉や転んで立って子の育ち
舌先で音探してる海酸漿
大南風飯場に干された男シャツ
校長の姓名かたかな聖母月
一言のご免で仲よし風薫る
両岸を結び数多のこいのぼり

27年4月11日(句会)


春帽子ちょっとおしゃれな白選ぶ
故郷の訛りなつかし蕨買う
靖国祭若き血潮はセピア色
境内の句碑の歳月松の花

27年4月10日(句会)

少し難しい季語で句をつくりした。

里山の景ひきしめる忘れ霜
合掌し吾も善男花祭
ときめきて都おどりの切符買う


観音の眼穏やか春深く
あいさつの声重なりて八重桜(23/5/22/)

「今年はあいさつをしっかりしましょう 」と教頭先生の提案で毎朝、
校門で先生方が子どもを迎える。たかが挨拶、されど挨拶。一日や
二日で育つものではない。桜のしんがりをつとめる八重桜が咲く頃、
少しずつ挨拶の輪が広がってきた。時間の経過と弾ける校門の風景
が印象に残る。

 

少年期よみがえらせて辛夷咲く(23/5/9)

辛夷は春を呼ぶ花である。早春の澄みきった青空に向かって真っ白な花が咲く。
校庭の辛夷は巣立っていく少年の息吹を誰よりもよく知っている。
辛夷の花は少年期の記憶に蘇らせる。「蘇る」でなく平仮名の「よみかえらせて」
が気に入っている。

☆ 子つばめにはじめての空広かりし 

 顔を並べて巣の中で親が運んでくる餌を待っていた子つばめ。
そのうち飛び方を習い始めるまでに成長する。巣から離れて
初めて見る空は、子つばめにはどのように見えるのだろうか。
飛翔する子つばめに対するいとおしさと優しさを感る。
さわやかな瞬間である。

☆ 菜の花や地蔵に預けるランドセル

 春はランドセルが似合う。ピカピカのランドセルを背負って下校する。緊張した一日の一寸したした時間を見つけ道草。大事な大事なランドセルはお地蔵様に預けることとして。菜の花、前垂れ、そしてランドセル。すてきな春の午後である。

☆ 田植唄逆さ三上山に谺する

  
近江富士の愛称で呼ばれている三上山と御上神社の間にある悠紀斎田
の田植えは昔からの伝統に則って行わる。
揃いの衣装に身を包んだ早乙女が苗を植え踊り手が唄に合わせて踊る。
田植唄が水田に谺する風情を巧みにまとまっている。