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作品鑑賞(5月号)

  ○寒風に牙剥く波涛日本海  正子
  冬の日本海の様子、特に波や風の激しさが作品から伝わってきます。「牙剥く」の主張が句に生きています。

○雛の顔見詰む嘘まで見抜かされ 恵美子
雛を愛しく見ている作者、雛から見られているという一体感が作品を引き締めています。「嘘まで見抜かされ」は見事です。

○夕東風や塾の自転車もたれ合い  久子
夕東風と塾の自転車が響き合って一体感があります。自転車の主は受験を控えた小中学生。教室で難しい課題に取り組んでいる姿様子が見えてきそうです。

○コーラスの一員となり雛祭  かつ子
コーラス部に所属した、仲間と一体になった、上達などの充実感を「なった」という断定表現から想像しました。

○春一番ジャングルジムを駆け抜けり  正明
春先に吹く強い南風がジャングルジムを駆け抜けたとう言う意味。春を待つ子ども達の心を思う気持ちを強く感じる作品です。

○水仙や一塊の登下校  雅尾
児童の登下校は賑やかです。それぞれに勝手に喋り、笑い、動き回ります。その中でも、一年生は黄色いランドセルカバーが定番です。季語の水仙が生きています。

○入学に彩り添えし保護者席  華掌
入学式の緊張した雰囲気と我が子の入学の様子を不安と喜びで見守る保護者席の様子を作品から読み取りました。和服、洋服の保護者席に焦点を定めたことにひかれました。

○少年の球の速さや風光る  盛利
少年は甲子園の高校球児、あるいは草野球を楽しむグループ、中学校の部活動と考えていくうちに、投げ込むボールの速さや音が思い浮かびます。この春ヒットした映画「バッテリー」の感動が蘇りました。